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【深掘り情報】日本人と栗と茨城県笠間市

農林水産省の定義では、栗は野菜ではなく“木に実る果物”。

日本では、果実は「何も手を加えなくても自然な甘みを持っており、そのまま食べることができる植物のことを指す」と定義されています。

野菜は地面になる植物であると定義されているため、木になる栗は果物に分類されるんです。

日本人と栗の関係は深く、日本各地の遺跡から炭化した栗が見つかっており、縄文時代から栗の栽培が行われていたと考えられています。

栗は栄養価も高く、カリウムやビタミン、食物繊維などがバランスよく豊富に含まれています。

遠い遠い祖先も栗を食べていたと思うと何だか感慨深いですよね。

栗の栽培面積・生産量ともに全国1位を誇るのが茨城県。

なかでも栽培面積県内1位を誇る笠間市は、栗栽培の中心地であり名産地でもあります。

いたるところに栗畑が広がる笠間市では、明治時代末期頃から栗の栽培が始まりました。

年間を通して穏やかで昼夜の温度差がある笠間市の気候と、水はけのよい火山灰土壌は栗栽培に最適。ふっくらと薫り高い大粒の栗を育みます。

笠間の栗は太陽をたくさん浴びているので甘みが増し、味がよいのが特徴です。

グラン スイート サーカスの新作では、茨城県笠間市で今年収穫された栗を新鮮なうちに加工。早生種の丹沢・ぽろたん・大峰、中生の筑波・銀寄、晩生の石鎚・岸根などの品種をブレンドした、笠間産の和栗ペーストを使用しています。

笠間の大地で丁寧に育まれ、しっかり熟して自然落下した栗は、頬ばると素朴で濃厚な風味と芳しい薫りが広がりますよ。

今回笠間の和栗を新作に使用するにあたり、笠間の栗生産者を代表して、かねこ農園さんを訪れました。グラン スイート サーカスの新作には、もちろんかねこ農園さんの栗も含まれていますよ。

かねこ農園・園主の金子祥一さんは笠間市で7代続く栗農家。18歳の頃から栗栽培をしている大ベテラン。

JA常陸笠間地区栗部会長を20年以上務め上げ、2022年には産地振興に尽力した生産者に贈られる全国果樹連合会会長賞を受賞されています。

愛情たっぷりに育てた栗を、たくさんの方にお届けしている栗生産の第一人者です。

金子さんに良質な栗をつくる秘訣を伺ったところ、大粒の栗をつくるには冬場の剪定が重要だそうです。

「今年実がなった枝は養分がなくなっているので切ってしまいます。実がなっていない枝を残すことで、来年実がなる枝を制限して養分の流れをよくします。また、大きな栗をつくるには太陽の光が不可欠なので1本1本剪定することで、栗畑に当たる日光の量も調整します」。また、土づくりとして、かねこ農園さんでは草生栽培を行っており、畑に生えている雑草を刈り、その草で腐葉土をつくっているそうですよ。

「今年の夏は雨が少なく日差しの強い日が続きましたが、9月以降に降った雨で養分が一気に実に行き届きました。そのおかげで、今年の栗は大粒のものが多いんですよ」と金子さん。

日々の丁寧な作業とたゆまぬ探究心により、笠間ならではのふっくらと薫り高い栗が育まれるんですね。